市場の変化とマーケティングミックス戦略の転換

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ここでは、「市場の変化とマーケティングミックス戦略の転換」という課題に対して、どの様に市場の変化やその兆しを捉えて、マーケティングミックス戦略を転換したらよいか説明して参ります。

商品を取り巻く環境の変化や兆しを分析する

商品の寿命を見極めて、①新商品を創造し成長させるか、②成熟化した既存商品の維持・拡大を図るか、③衰退商品からの撤退・再編成を図るか、といったことについてどの様な意思決定をするか、その判断時期をいつにするかが、事業、ひいては企業の盛衰を決定づけると言っても過言ではない。


事業を取り巻く環境の変化を市場全体の視点から分析する

一般的には、以下の視点で事業を取り巻く環境の変化を捉えていことになる。

  • イノベーションの視点 (イノベーター(冒険的)、アーリーアダプタ(尊敬の対象)、アーリーマジョリティ(慎重派)、レイトマジョリティ(懐疑派)、ラガード(=のろま、因習派))[1]
  • 業界と5-Forcesの視点 (先端業界、多数乱戦業界、成熟業界、衰退業界)×(買い手との関係、供給業者との関係、代替品との競争要因、既存競争業者との競争要因、新規参入業者との競争要因)[2]
  • 事業に対する VRIO “Value、Rare、Inimitable、Organization arrangement to execute Strategies” [3]


自社の財務状況を分析する

  • 事業の財務状況を捉える
    • 売上(特に、損益分岐点売上高)、利益(特に、粗利益、営業利益、貢献利益)
    • 売上高成長率、利益率(粗利益率、営業利益率)


市場の変化とマーケティングミックス戦略を考える

商品を取り巻く環境を市場全体の視点から戦略を考える

  • マーケティングの3Cの視点 “Customer、Competitor、Company”
  • 商品に対する SWOT “Strength、Weakness、Opportunity、Threat”
  • 商品に対するPPM分析 “Products Portfolio Management”


商品のライフサイクルとマーケティング目的から戦略を考える

商品の導入期

  • ゼロ需要、潜在需要⇒市場の創造
    • 製品戦略
      • 標的客層の設定、用途・効果・利便性の創造、優位性・新規性・付加価値機能の開発
    • プロモーション戦略
      • 販促標的客層の設定、ブランドイメージの創造と発信
    • 価格戦略
      • 想定客層に対する価格帯の設定(上層価格・浸透価格の併用)
    • チャネル戦略
      • 販売地域の設定、流通チャネルの構築
  • 顕在需要⇒出遅れに対する市場の挽回
    • 製品戦略
      • 標的客層の厳選(絞り込み)、用途・効果・利便性の厳選(絞り込み)、優位性・新規性・付加価値機能の厳選(絞り込み)
    • プロモーション戦略
      • 販促標的客層の集中化と強化、知名度の拡大、優位性認知度の浸透
    • 価格戦略
      • 競争優位価格帯の設定
    • チャネル戦略
      • 販売地域の集中化、流通チャネルの開拓と確保


商品の成長期

  • 潜在需要⇒市場の開拓
    • 製品戦略
      • 標的客層の追加、用途・効果・利便性の追加、優位性・付加価値機能の追加
    • プロモーション戦略
      • 販促標的客層の追加、ブランドイメージの発信先追加
    • 価格戦略
      • 想定客層に対する価格帯の設定(上層価格、浸透価格の追加)
    • チャネル戦略
      • 販売地域の追加、流通チャネルの追加
  • 顕在需要⇒市場の拡大
    • 製品戦略
      • 標的客層の拡充、品揃えの拡充(多様性への対応)
    • プロモーション戦略
      • 販促標的客層の追加、ブランドイメージの発信先拡充と認知度拡大
    • 価格戦略
      • 想定客層に対する価格帯の設定(浸透価格戦略の重点的強化)
    • チャネル戦略
      • 販売地域のきめ細かい拡大、流通チャネルとの関係強化

商品の成熟期

  • 買替需要⇒市場の維持
    • 製品戦略
      • 標的客層のへのきめ細かい対応、モデルチェンジ
    • プロモーション戦略
      • 販促標的客層の囲い込み(集中化と強化)、ブランドの知名度の維持、優位性認知度の維持
    • 価格戦略
      • 競争優位価格帯の設定、廉価版(カテゴリーキラーへの対応)
    • チャネル戦略
      • 販売地域での強化、流通チャネルの強化
  • 低迷化する需要⇒市場の再活性化
    • 製品戦略
      • 標的客層の見直し、用途・効果・利便性の着眼点や発想の転換、優位性・付加価値機能の再構築
    • プロモーション戦略
      • 販促標的客層の見直し、ブランドの知名度の維持、優位性認知度の維持
    • 価格戦略
      • 低価格戦略(浸透価格戦略)と付加価値価格(上層価格)の併用
    • チャネル戦略
      • 販売地域の広域化、流通チャネルの組み替え

商品の衰退期

  • 減少需要⇒市場の再編成
    • 製品戦略
      • 標的客層の再編成、新用途・新効果・新利便性の付加、新優位性・新規性・新付加価値機能の開発
    • プロモーション戦略
      • 新効果・新利便性による旧効果・旧利便性の置き換え喚起
    • 価格戦略
      • 価格帯の再設定
    • チャネル戦略
      • 販売地域の新用途・新効果・新利便性に対応する組み替え、流通チャネルの新用途・新効果・新利便性への移行


関連事項

  1. PI Solutions メインページ
  2. YAMADORI_Dictionary
  3. 類似例

引用