「社会の変化を読み解いて将来の成長分野に経営資源を集中する」の版間の差分
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Junichi ikebe (トーク | 投稿記録) |
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ここでは、「社会の変化を読み解いて将来の成長分野に経営資源を集中する」という課題に対して、どの様に変化やその兆しを捉えて、戦略を構想したらよいか説明して参ります。 | ここでは、「社会の変化を読み解いて将来の成長分野に経営資源を集中する」という課題に対して、どの様に変化やその兆しを捉えて、戦略を構想したらよいか説明して参ります。 | ||
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== 20世紀の発想に基づいて発展してきた社会の限界 == | == 20世紀の発想に基づいて発展してきた社会の限界 == | ||
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**右肩上がりの成長社会から成熟社会、少子高齢社会、箱物や巨大イベントへの投資による景気浮揚の限界、社会保障への負担増大、財政規律と低経済成長下での緊縮財政、経済収縮と社会破綻の危機 | **右肩上がりの成長社会から成熟社会、少子高齢社会、箱物や巨大イベントへの投資による景気浮揚の限界、社会保障への負担増大、財政規律と低経済成長下での緊縮財政、経済収縮と社会破綻の危機 | ||
*経済の競争原理に基づく社会通念、共通の価値観の限界 | *経済の競争原理に基づく社会通念、共通の価値観の限界 | ||
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**坩堝化するグローバル経済、ゾブリンリスクに揺れるグローバル社会、独立を求める地域政府 | **坩堝化するグローバル経済、ゾブリンリスクに揺れるグローバル社会、独立を求める地域政府 | ||
**経済格差社会、若者の貧困問題、高齢者の貧困問題 | **経済格差社会、若者の貧困問題、高齢者の貧困問題 | ||
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**新たなプラットフォームは“画一的なものの大量消費”ではなく、新たなプラットフォームによって “一人ひとりが自分なりの生き方を実現する”“その場その時に合わせた満足を実現する”が提供される。 | **新たなプラットフォームは“画一的なものの大量消費”ではなく、新たなプラットフォームによって “一人ひとりが自分なりの生き方を実現する”“その場その時に合わせた満足を実現する”が提供される。 | ||
− | == | + | == 今、組織の中で起きているパラダイムシフト == |
*どの企業も、生き残りをかけて少しでも早く、少しでも多くの知見を獲得し、他社との差別化を図って優位性を確保しようとしている。 | *どの企業も、生き残りをかけて少しでも早く、少しでも多くの知見を獲得し、他社との差別化を図って優位性を確保しようとしている。 | ||
**情報技術が進み、誰もがグローバルに最新の社会、政治、経済、技術に関わる情報を入手しうる。また、SNSにより誰もが、自由に情報を発信し、欲しい情報を探索して手に入れることができる。 | **情報技術が進み、誰もがグローバルに最新の社会、政治、経済、技術に関わる情報を入手しうる。また、SNSにより誰もが、自由に情報を発信し、欲しい情報を探索して手に入れることができる。 | ||
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****組織にいる一人ひとりが自律して課題を解決していく、そんな組織文化を創り上げることに、これからの経営者はリーダーシップを発揮しなければならない。 | ****組織にいる一人ひとりが自律して課題を解決していく、そんな組織文化を創り上げることに、これからの経営者はリーダーシップを発揮しなければならない。 | ||
− | = Beyond the Next, and Beyond the Future に向かって進む = | + | |
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*世界には色々な社会があり、色々な価値観のもとに色々な人が生きている。人は一人では生きていけない。大事なことは、人を自分と同化することでも、社会全体を自分の“心豊かになれる社会”、“自分にとってのありたいと願う世界”に統一することでもなく、お互いを受容して共に生きていける社会を創ることである。 | *世界には色々な社会があり、色々な価値観のもとに色々な人が生きている。人は一人では生きていけない。大事なことは、人を自分と同化することでも、社会全体を自分の“心豊かになれる社会”、“自分にとってのありたいと願う世界”に統一することでもなく、お互いを受容して共に生きていける社会を創ることである。 | ||
*お互いを受容して共に生きていける社会を創るためには、何よりも、自分の追求する“心豊かになれる社会”、“自分にとってのありたいと願う世界”を明確にすることが必要である。 | *お互いを受容して共に生きていける社会を創るためには、何よりも、自分の追求する“心豊かになれる社会”、“自分にとってのありたいと願う世界”を明確にすることが必要である。 | ||
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*“基軸”(基軸:物事の基本・中心となるもの。広辞苑第六版)(機軸:活動の中心。広辞苑第六版)とは、ビジョンを明確にする軸となる “信条”“信念”“人生観”“世界観”である。軸が動くと全てが動揺してしまう。“経営理念”を示すための拠り所でもある。 | *“基軸”(基軸:物事の基本・中心となるもの。広辞苑第六版)(機軸:活動の中心。広辞苑第六版)とは、ビジョンを明確にする軸となる “信条”“信念”“人生観”“世界観”である。軸が動くと全てが動揺してしまう。“経営理念”を示すための拠り所でもある。 | ||
− | + | == 企業が果たすべき社会的責任の論点を考える == | |
− | = 企業が果たすべき社会的責任の論点を考える = | + | |
*企業が営む事業によって利便性が実現されて社会が発展して生活が豊かになり、利益を得て税金を払っていさえば社会的責任を果たしているというのは、高度経済成長期のロジックである。 | *企業が営む事業によって利便性が実現されて社会が発展して生活が豊かになり、利益を得て税金を払っていさえば社会的責任を果たしているというのは、高度経済成長期のロジックである。 | ||
*自然環境保護、人権保護、法令遵守(略して、ESG)が重視される今日では、これら社会的責任の視点が抜け落ちている、あるいは、これら視点が軽視されることで問題が引き起こされる、社会的課題を解決する活動への関心が低いなどが露呈すると、その企業は社会からの信用を失い顧客を失ってしまう。投資家も企業が不祥事を起こすことで株価が暴落するようなことになれば損害を被ることになるため、業績や財務状況ばかりでなく、ESGで企業を評価しようという動きが広がってきている。 | *自然環境保護、人権保護、法令遵守(略して、ESG)が重視される今日では、これら社会的責任の視点が抜け落ちている、あるいは、これら視点が軽視されることで問題が引き起こされる、社会的課題を解決する活動への関心が低いなどが露呈すると、その企業は社会からの信用を失い顧客を失ってしまう。投資家も企業が不祥事を起こすことで株価が暴落するようなことになれば損害を被ることになるため、業績や財務状況ばかりでなく、ESGで企業を評価しようという動きが広がってきている。 |
2015年1月4日 (日) 12:41時点における版
ここでは、「社会の変化を読み解いて将来の成長分野に経営資源を集中する」という課題に対して、どの様に変化やその兆しを捉えて、戦略を構想したらよいか説明して参ります。
目次
20世紀の発想に基づいて発展してきた社会の限界
- 高度経済成長期の発想に基づく社会通念、共通の価値観の限界
- 右肩上がりの成長社会から成熟社会、少子高齢社会、箱物や巨大イベントへの投資による景気浮揚の限界、社会保障への負担増大、財政規律と低経済成長下での緊縮財政、経済収縮と社会破綻の危機
- 経済の競争原理に基づく社会通念、共通の価値観の限界
社会の変化を社会全体の視点で捉える
- 坩堝化するグローバル経済、ゾブリンリスクに揺れるグローバル社会、独立を求める地域政府
- 経済格差社会、若者の貧困問題、高齢者の貧困問題
長期経済停滞期に広が始めた新たな社会の創造
- 国から地方への主権の移動
- 地域の事情に即した事業への投資、地域の資源を活かした活性化に役立つ事業への投資、地域の自立意識の高揚、内発的に発展する社会、社会的共通資本、心豊かに暮らせる社会
- 重視される個人の権利
- 人権(Human Rights)という概念の浸透、性別や年齢に関係なく活躍できる社会、個人情報の保護と知る権利の保護、同一労働同一賃金、雇用機会の均等、安心と安全
大量消費から一人ひとりの生き方、その場その時に合わせた満足の実現へ
- 経済が成熟化した人口減少社会にあって需要は伸びず縮小傾向にある。
- 社会も成熟化し、大量消費から一人ひとりが自分なりの生き方を大事にして心豊かな暮らしを求めている。
- 社会、市場は、常に急速に多様に変化し、技術革新による変化に顧客ニーズも刺激されて変化している。
- 技術革新による変化と顧客ニーズの変化が社会や市場を刺激して、新たな変化を引き起こす。
- 経済成長時の社会は“ものの消費の時代”だった。成熟社会では“量より質の時代(Quality of Life)”であり、更に今、一人ひとりが自分なりの生き方を実現するための“多様性の時代”に向けて大きく変化しつつある。
- “多様性の時代”では“大量生産による低価格化の実現”という経済モデルでは対応できない。
- “多様性を低価格で提供できる新たな産業構造や働き方の実現”という新たな経済モデルが必要であり、それを支えるプラットフォームを創造していかなければならない。
- 新たなプラットフォームは“画一的なものの大量消費”ではなく、新たなプラットフォームによって “一人ひとりが自分なりの生き方を実現する”“その場その時に合わせた満足を実現する”が提供される。
今、組織の中で起きているパラダイムシフト
- どの企業も、生き残りをかけて少しでも早く、少しでも多くの知見を獲得し、他社との差別化を図って優位性を確保しようとしている。
- 情報技術が進み、誰もがグローバルに最新の社会、政治、経済、技術に関わる情報を入手しうる。また、SNSにより誰もが、自由に情報を発信し、欲しい情報を探索して手に入れることができる。
- 組織内の情報は経営者に集まるが、現場の情報からは遠い。
- 社会や市場に関する情報を組織内の誰もが入手し、現場の状況は現場にいる従業員がいち早くつかんでいる。
- 情報技術が進み、誰もがグローバルに最新の社会、政治、経済、技術に関わる情報を入手しうる。また、SNSにより誰もが、自由に情報を発信し、欲しい情報を探索して手に入れることができる。
- 今や、経営者のみならず、組織にいる誰もが夫々の専門性を活かして、社会、市場、顧客の視点に立って、状況の変化をいち早く認識し、組織の現状に問題意識を持って行動していく時代が到来しつつある。
- “組織が一丸となって”“組織の総力を上げて”という言葉は過去のものである。
- これからは、“組織が自律して”課題を解決していく時代である。
- 組織にいる一人ひとりが専門性を磨き、培われた多様な専門性を相互に活かし合いながら、一人ひとりが内発して自律的に行動するチームワークによって、唯一無二の組織独自の価値を創造する。
- 組織にいる一人ひとりが自律して課題を解決していく、そんな組織文化を創り上げることに、これからの経営者はリーダーシップを発揮しなければならない。
- 組織にいる一人ひとりが専門性を磨き、培われた多様な専門性を相互に活かし合いながら、一人ひとりが内発して自律的に行動するチームワークによって、唯一無二の組織独自の価値を創造する。
将来の成長分野に経営資源を集中する
Beyond the Next, and Beyond the Future に向かって進む
- 世界には色々な社会があり、色々な価値観のもとに色々な人が生きている。人は一人では生きていけない。大事なことは、人を自分と同化することでも、社会全体を自分の“心豊かになれる社会”、“自分にとってのありたいと願う世界”に統一することでもなく、お互いを受容して共に生きていける社会を創ることである。
- お互いを受容して共に生きていける社会を創るためには、何よりも、自分の追求する“心豊かになれる社会”、“自分にとってのありたいと願う世界”を明確にすることが必要である。
- 人は他人の意見に流されやすい。生きる糧を得るために忙しく働かなければならず、我を振り返る余裕もないかも知れない。自分の追求する“心豊かになれる社会”、“自分にとってのありたいと願う世界”を考えることは難しいことである。
- 教科書の詰め込み(暗記による勉強、答えのある学問の勉強)による教育を受けた日本人にとって、自分で考えて、自分のの追求する“心豊かになれる社会”、“自分にとってのありたいと願う世界”を描くことは難しいことでもある。
Vision を構想する
- 組織の中で活動する人達の目的として“ビジョン”を定めることが必要である。
- ビジョンは“経営理念”ではない。「いつまでに、何を実現する」という長期的な経営の目的と目標であり、“課題を解決していく方向性とプロセス(工程、アジェンダ)を描いたものでなければならない。
- それは、社会や市場の変化をどう捉えるべきか、顧客がその企業をどう価値付けるか、従業員や取引先の人達がその企業とどう関わっていくかといった、共感でき信じる根拠となる。
- 組織の合理性や成長を目的にしただけのビジョンでは、社会や顧客から疎まれる。
- “基軸”(基軸:物事の基本・中心となるもの。広辞苑第六版)(機軸:活動の中心。広辞苑第六版)とは、ビジョンを明確にする軸となる “信条”“信念”“人生観”“世界観”である。軸が動くと全てが動揺してしまう。“経営理念”を示すための拠り所でもある。
企業が果たすべき社会的責任の論点を考える
- 企業が営む事業によって利便性が実現されて社会が発展して生活が豊かになり、利益を得て税金を払っていさえば社会的責任を果たしているというのは、高度経済成長期のロジックである。
- 自然環境保護、人権保護、法令遵守(略して、ESG)が重視される今日では、これら社会的責任の視点が抜け落ちている、あるいは、これら視点が軽視されることで問題が引き起こされる、社会的課題を解決する活動への関心が低いなどが露呈すると、その企業は社会からの信用を失い顧客を失ってしまう。投資家も企業が不祥事を起こすことで株価が暴落するようなことになれば損害を被ることになるため、業績や財務状況ばかりでなく、ESGで企業を評価しようという動きが広がってきている。
- しかし、何よりも、企業のESGへの真剣な取り組みが好感を生んで企業ブランドの向上にもつながること意識して、その付加価値が顧客を惹きつけることを重視するべきである。
- とはいえ、必要最低限のESGへのおざなりな取り組みではなく、積極的に戦略を持って社会的課題を解決する取り組みを事業活動に織り込んでいくことが、社会の一員としての公器たる企業には求められている。
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