「マーケティングミックス戦略の転換-3」の版間の差分
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2016年11月11日 (金) 18:09時点における版
標的顧客、事業展開地域、販売チャネル、販売価格、販売促進戦略をきめ細かく設定する
標的顧客の絞り込み
マーケティングミックス戦略を考える際に、その前提として、市場のセグメンテーション、標的顧客の絞り込み、商品のポジショニング(顧客ニーズのどこに訴求するか、また、競合商品とどこで差別化するか)を行う必要がある。その際、特に、商品と親和性の良い顧客層を絞り込んでターゲティングする(プロダクトアウト)、あるいは、需要量の多い顧客層をターゲティングして親和性の高い商品を投入するく(マーケットイン)ことを想定して、以下の視点から分析して市場、商品、顧客の整合化を図る必要がある。
高年齢層の上限は伸びるか
①地域別人口動態(推移、予測)
②地域別所得別人口動態
③地域別年齢層別人口動態
この商品、一体誰が買うんだろうか
①標的顧客層
②標的顧客層の人口動態(年齢、所得、ライフスタイル)
③顧客として想定されるペルソナ
④想定される顧客のライフスタイルと消費のストーリー
とりこぼしているお客はどこにいるか
①地域に暮らす標的当該購買層の人口動態
②標的顧客層別の価格帯別購買状況
お客は逃げていないか
①顧客の維持率、離散率、リピート率、新規顧客獲得率の状況
事業展開地域の絞り込み
また、そうした顧客層が集中する地域を、例えば、(1) 金持ちはどこにいるか、(2) 標準的地域はどこか、(3) 輸出先地域における、この商品の需要にどう影響するか、(4) 輸出先地域でこれからどうすればよいか、(5) 同じ商品で販売量に地域差が出るのはなぜか、(6) 次にこの自社商品の成長期を迎える国はどこか、(7) 自社商品の売行きの拡がる地域の順番は、(8) エリア毎仕様変更には価値があるかといった視点で分析して、資金を集中的に投入して事業を展開する地域を絞り込んでいく。尚、地域密着型の企業では、事業展開地域が限定的に決められてしまっているから、この場合は、地域特性に合わせた商品品揃え、標的顧客の絞り込みを行うという手順となる。しかし、最近のネットワーク技術の発展により、地域密着型の企業(地場産業)の事業のグローバル展開の成功事例も多く聞かれるようになってきている。地域密着型企業だからといって事業展開地域を限定する必要性は薄らいでいる。
標準的地域はどこか
①標的顧客層(年齢、所得層、ライフスタイル、消費のストーリー)
②標的顧客層の人口動態(年齢、所得、ライフスタイル)
③地域の県民性、嗜好類似性
④商品コンセプトと想定顧客のペルソナとの適合性
⑤地域経済成長の状況
⑥近隣地域への影響度(先進性、ブームを伝える人の交流手段(交通量)、地域の情報発信量(発信量、アクセス数))
輸出先地域における、この商品の需要にどう影響するか
①世界の国や地域の風土や文化に合わせた商品の好感度と投資効果
②ゾブリンリスクの状況
③社会全体としてのムーブメント
④標的顧客層(年齢、所得、ライフスタイル)別の人口動態(推移、予測)
⑤経済成長率(推移、予測)
同じ商品で販売量に地域差が出るのはなぜか
①世界の国や地域の風土や文化に合わせた商品の好感度
②国内各地の風土や文化に合わせた商品の好感度
③商品の市場規模
④地域における市場の需要量の変化と販売量の上限
⑤プロダクトライフサイクルの位置付け
⑥販売チャネル状況
⑦ターゲット顧客層(年齢、所得、ライフスタイル、価格帯)の人口動態(推移、予測)
⑧地域別商品の売上高推移
次にこの自社商品の成長期を迎える国はどこか
各国の
①年齢層別人口動態(推移と予測)
②所得層別人口動態(推移と予測)
③経済成長率(推移と見通し)
④国民性の変化の方向性(風土、文化、ライフスタイル、消費志向)
⑤社会のムーブメントや技術革新の動向
⑤商品の市場規模(推移、予測)
販売チャネルのデザイン
標的市場-顧客、事業展開地域の分析と同時に、その地域の顧客にリーチするチャネル、ものを届ける販売ルートを分析しなければならない。いくら良いものでも顧客が商品を目にすることができない、ものを届けられないのでは意味がない。また、経営資源にも限りがある中で、例えば、(1) 今後効果的と思われる販売方法は、(2) チャネル別販売政策はいつまでもつか、(3) 他社の流通政策はどうなっているか、(4) 強化すべき地域は、どこからやれば、自・他社流通支配力が良いか、(5) 国内はこの数だけのチャネルでよいか、(6) 販売店の場所はいいところにあるか、(7) チャネル内でちゃんと吸収しているかといった視点で分析して、効率的に事業展開できる販売チャネルをデザインしなければならない。
今後効果的と思われる販売方法は
①商品の市場規模
②市場の需要量の変化と販売量の上限
③プロダクトライフサイクルの位置付け
④販売チャネル状況
⑤ターゲット顧客層(年齢、所得、ライフスタイル、価格帯)
⑥商品コンセプトとターゲット顧客層の適合性
⑦企業イメージとターゲット顧客層の適合性
⑧商品鮮度に対する顧客の志向性と商品の賞味期限の適合性
⑨業態別販売量/ネット販売量/テレビ通販での販売量
強化すべき地域は、どこからやれば、自・他社流通支配力が良いか
①地域の県民性、嗜好類似性
②地域の想定顧客層(年齢、所得)別人口動態
③ブームを伝える人の交流手段(交通量)
④地域の流通チャネル別販売量
チャネル別販売政策はいつまでもつか
各地域における
①市場規模
②流通チャネル別の販売量と見通し
③ネットでの販売量と見通し
④地域別流通機構における変動要因
⑤流通政策重点施策
販売店の場所はいいところにあるか
①地域別顧客層別(年齢、所得、ライフスタイル)の人口動態(推移、予測)
②地域性(県民性、ライフスタイル、嗜好)と店舗コンセプトの適合性
③地域経済成長率(推移、予測)
④類似地域の店舗/売り場別売上高(推移)
⑤立地条件
更には、販売チャネルの販売店舗についても、(1) 販売店の現状の力はどうか、(2) 商品売場と商品の売行きとの関係は、(3) 来店数を増やすにはどうしたらよいかといったことも、販売チャネル戦略と合わせて考えなければならない。
販売店の現状の力はどうか
①地域別顧客層別(年齢、所得、ライフスタイル)の人口動態(推移、予測)
②地域性(県民性、ライフスタイル、嗜好)と店舗コンセプトの適合性
③地域経済成長率(推移、予測)
④店舗/売り場別売上高(推移)
⑤店舗/売り場別労働生産性
⑥店舗別来客数/リピート率/離脱率/休眠率/優良顧客(RFM)
来店数を増やすにはどうしたらよいか
①店舗/売り場別労働生産性
販売価格の設定
販売チャネルの分析において重要なのは販売価格である。ディスカウントショップで高級品は売れないし、高級商品のブランド価値を低下させかねない。販売チャネルの策定と同時に、(1) 価格はどこまで上げられるか、(2) ちょっとだけ価格をさげれば売れるかといった価格分析を行うことが必要である。
①商品特性別の価格弾力性
②購買動機別の価格弾力性
③ブランド価値に対する評価
④標的顧客層の人口動態(年齢、所得、ライフスタイル)
⑤顧客として想定されるペルソナ
⑥想定される顧客のライフスタイルと消費のストーリー
⑦商品コンセプトと消費者志向の整合性
⑧商品のライフサイクルにおける位置づけ
⑨社会のムーブメントや技術革新の動向と商品の適合可能時期
⑩市場の需要量と販売見通し
⑪競合企業の商品コンセプト
⑫競合企業の企業イメージ
⑬競合企業の販売チャネル状況
販売促進方法の設定
顧客に商品情報が届かなければ、そもそも事業として意味をなさない。そこで、商品情報を効果的に伝える媒体として、例えば、(1) トレンドを生み出すのに最も効果的な媒体は何か、(2) どこに情報発信基地を置けばよいか、(3) メディアは効果的に利用されているか、(4) テレビ広告はやめようか等の分析を行うことが必要になる。
トレンドを生み出すのに最も効果的な媒体は何か
①ターゲット顧客層(年齢、所得、ライフスタイル、価格帯)
②商品コンセプトとターゲット顧客層の適合性
③企業イメージとターゲット顧客層の適合性
④広告宣伝メディアミックス(テレビ、新聞・雑誌、イベントのスポンサー、ネット広告、SNS投稿、街路でのネオンサイン)の好感度、訴求性、知名度
⑤ブームを巻き起こすためのメディアミックス(情報発信量、時間別視聴/閲覧者層、時間別視聴/閲覧数)
⑥情報発信のメディアミックス(意見広告、SNS投稿)による知名度、好感度
⑦ブームを巻き起こすための情報発信地
また、買ってもらいたい顧客の持っている感性と異なるイメージで商品を伝えようとしても、聞く耳をもってくれない。(1) 起用したタレントはよかったか、(2) どのジャーナリストが一番営業活動に寄与しているか、(3) 本社のショールームの効果的利用方法は、(4) カタログは今のままでよいかといったことも分析しておくことも必要である。
起用したタレントはよかったか
①広告塔(タレント、ジャーナリスト)への関心度、好感度、アナウンス効果
②ターゲット顧客層(年齢、所得、ライフスタイル、価格帯)
③商品コンセプトとターゲット顧客層の適合性
④企業イメージとターゲット顧客層の適合性
カタログは今のままでよいか
①広告宣伝(カタログ、パンフレット、チラシ、ブローシャ)の好感度/訴求性
②ターゲット顧客層(年齢、所得、ライフスタイル、価格帯)
③商品コンセプトとターゲット顧客層の適合性
④企業イメージとターゲット顧客層の適合性
また、販売員のスキルも重要である。(1) どういうタイプのセールスマンがいっぱい売っているか、(2) 悪い売り方はどこかも捉えておかなければならない。
どういうタイプのセールスマンがいっぱい売っているか
①販売員の販売手法と販売量、失注要因、顧客離反要因、競合の勝因
販売促進費、販売費の効果的投入
最後に、こうした様々な戦略を駆使しても利益が出なければ意味がない。(1) 販売費は効果的に使われているか、(2) 宣伝費は十分か、(3) 販売業者のインセンティブは今のままでよいのかといったことも検証しながら、マーケティングミックス戦略を展開していくことが経営の意思決定の際には求められる。
宣伝費は十分か
①メディア別広告宣伝費(時系列推移)
②企業/事業/商品の知名度
③企業/事業/商品別売上高(時系列推移)
販売業者のインセンティブは今のままでよいのか
各地域における
①市場規模
②流通チャネル別の販売量と見通し
③ネットでの販売量と見通し
④用途別販売費(時系列推移)
用語
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※Cross reference of Strategy
・将来に向けた大局的な閃きを起こして発想を転換する
・深層にあるニーズを洞察して、社会、暮らし、市場を変革する
・多面的な視点からきめ細かなアクションを考える