「ビジネスモデルの競争優位性」の版間の差分

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ここでは、競争力のあるビジネスモデルを組織が形成しているかどうかを変動要因として捉えて参ります。
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ここでは、競争力のあるビジネスモデルを組織が形成しているかどうかを変動要因として捉えていく。
  
 
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2015年11月21日 (土) 02:33時点における版

ここでは、競争力のあるビジネスモデルを組織が形成しているかどうかを変動要因として捉えていく。

もし、ビジネスモデルが弱いとすれば、それはどういうことか

競争優位の販売チャネルを築けない

  • “競争優位の販売チャネル” とは
    • 成熟社会では、“販売チャネル”の奪い合いでもある。
    • “販売チャネル”とは、通常の物販では流通業者(卸売り、小売り)が想定されるが、ネットワーク時代においてはECサイトでの出店者なども含まれてくる。また、販売代理店、販売子会社、リセーラ(販売仲介業者)等の企業や組織もある。
    • ここで大事なのは、販売業者が持っている販売網(販売チャネルネットワーク)の存在である。広い販売網を通して、企業の情報や商品が、顧客(実際の利用者、消費者)に広く行き渡せうることができるようになる。また、販売チャネルネットワークと通して、顧客の声を収集する情報ネットワークの仕組みとしても活用できる。
    • 現実の実務として“競争優位の販売チャネル”の問題は、以下の様なことである。
      • 販売業者に対して有利な条件で契約ができない(販売の仕方、価格統制)
      • 商品を取り扱ってくれない
      • 競合製品を取り扱っている
      • 販売業者に対してメリットを提供できない(取り扱いたいという動機付けができていない)
      • 顧客ニーズの多様化、商品の多様な品揃え化に対して、それを求めている夫々に適した販売チャネルの構築ができない(販売チャネルの多様化、選択と集中ができていない)
      • 販売業者の販売力が低下している(モチベーションが低い、スキル教育ができていない、商品知識の教育ができていない)
      • 販売業者のモラルが低下している(接客態度、納期意識、納入後の心遣い)
      • 顧客に対して、必要時点に合わせた受注と短期での納品ができていない
    • 販売業者にメリットを提供できるかが、最も重要な点である。単に、商品を扱って欲しいと提案するのではなく、販売業者が享受できる実現可能なシナリオを描いて、販売業者とのWin-Win 関係構築を訴えることが大事である。特に、競合製品を扱っている場合、他に取り扱っている商品とのカニバリ(共食い)を起こしかねない場合など、慎重に検討したシナリオを用意しなければならない。
    • 販売チャネルとの価値共創という視点が重視されてきている。販売業者とのコラボレーションにより、直接に顧客の声を活かした新商品開発など、新たな視点での事業展開も可能となる。
    • 商品がコモディティ化した場合には、ディスカウントショップや低価格の量販店、あるいは、地域スーパーなど、これまで全く取り扱ったことのない、新たな販売チャネルを開拓しなければならない。その場合の問題として、販売業者に商品知識がないこと、広告や商品陳列の仕方、梱包の仕方もまったく異なることなどが想定され、これを乗り越えなければならない(全く知らない業者については、与信管理をしっかりする必要がある)。
  • “競争優位の販売チャネルを築けない”の論点(捉え方の軸と筋道)
    • 自社のリソースだけで市場を拡大して、広く販売活動を展開するのは無理である。
    • 少しでも競合企業に対して“競争優位な販売チャネルネットワークを築く”かが、成熟社会の限られた需要を勝ち得るための方策である。
    • 成熟社会では、何としてでも“販売チャネル”の奪い合いに勝たなければ、事業を存続させていくことはできない。
  • 背景にある問題の深掘り

競争優位のサプライチェーンを築けない

  • “競争優位のサプライチェーン” とは
    • グローバル化した社会では、“サプライチェーン”の奪い合いでもある。
    • “サプライチェーン”とは、製造業で言う、原材料部品の供給業者、または、外注先のことである。流通業であれば、商品の仕入先になる。
    • 供給業者が持っている差別化した高度の技術を競合他社ではなく自社に独占的に提供してくれるか、品薄の原材料部品の調達が可能か、低価格で売ってくれるか、必要に応じて情報提供したりサポートしたりしてくれるか、在庫を吸収してくれるか、短納期や納期変更に応えてくれるか、仕様変更に応えてくれるか、品質は安定しているかなど多岐にわたる。
    • 現実の実務として“競争優位のサプライチェーン”の問題は、以下の様なことである。
      • 供給業者に対して有利な条件で契約ができない(仕入サイトなどの条件、集中購買等による値引き率といった点)
      • 顧客ニーズの多様化、商品の多様な品揃え化に対応する上で必要となる個別仕様品、特注品を取り扱ってくれない
      • 競合製品を取り扱っている
      • 調達業者に対してメリットを提供できない(取引したいという動機付けができていない)
      • サプライチェーンのリスク分散化、多様化、選択と集中ができていない。
      • サプライヤの技術力が低下している(品質が悪い、リードタイムが長い、要求変更に対応できない、コストが高い、環境対応していない)
      • サプライヤのモラルが低下している(態度、納期意識、納入後の心遣い)
      • サプライヤの都合に合わせさせられ、必要に合わせた発注量と短期での納入ができていない
      • サプライヤが減少して供給能力が低下している(言い値になる、言いなりの契約条件になる)
    • 調達業者にメリットを提供できるかが、最も重要な点である。調達業者が享受できる実現可能なシナリオを描いて、調達業者とのWin-Win 関係構築を訴えることが大事である。特に、競合製品を扱っている場合など、慎重に検討したシナリオを用意しなければならない。
    • 商品がコモディティ化した場合には、これまでとは異なる低価格での調達が必要になり、これまで全く取引のない、新たな調達業者を開拓しなければならない。その場合の問題として、品質や納期、環境への配慮など、全く異なる文化を持っていることが想定され、これを乗り越えなければならない(全く知らない業者については、与信管理をしっかりする必要がある)。
  • “競争優位のサプライチェーンを築けない”の論点(捉え方の軸と筋道)
    • 少しでも競合企業に対して“競争優位なサプライチェーンを築く”かが、グローバル化した競争社会を勝ち得るための方策である。
    • グローバル化した競争社会をでは、何としてでも“競争優位なサプライチェーン”の奪い合いに勝たなければ、事業を存続させていくことはできない。
  • 背景にある問題の深掘り
    • 競争力を形成しうる組織能力(ケイパビリティ)の視点からビジネスモデル構築能力 について深掘りすることが必要である。


関連事項

  1. 競争優位性の形成とケイパビリティの視点で捉える経営課題


引用