「市場の変化とマーケティングミックス戦略の転換」の版間の差分
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Junichi ikebe (トーク | 投稿記録) |
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== 商品のライフサイクルとマーケティング目的から戦略を考える == | == 商品のライフサイクルとマーケティング目的から戦略を考える == | ||
+ | 現実問題として、長期にわたり様々な事業を展開していると、ニーズの多様化や競合他社との競争の過程で、様々な商品系列や商品が、置き換え/カニバリ(共食い)/補完/相乗仕合いながら生み出されていく。しかし、それら全てを維持していくにはコストがかかり、やがては整理統合が必要になってくる。 | ||
+ | *個々の商品系列や商品の誕生から消滅の過程を見ていくと、いわゆるプロダクトライフサイクル(導入期、成長期、成熟期、衰退期)の過程を経て生み出され消えていく。 | ||
+ | *需要の誕生から消滅の過程を見ていくと、ゼロ需要、潜在需要、顕在需要、低迷化する需要、買替需要、減少需要の分類して考えることができる。 | ||
+ | *マーケティングの目的も、需要の誕生から消滅の過程に即して、市場の創造、市場の開拓、市場の拡大、市場の維持、市場の挽回、市場の再活性化、市場の再編へと変遷していく。 | ||
+ | *マーケティング戦略の考え方の一つにマーケティングミックス戦略がある。「製品戦略」「プロモーション戦略」「価格戦略」「チャネル戦略/店舗展開戦略」を様々な市場環境に合わせて最適な組み合わせで戦略を考える方法である。 | ||
+ | しかし、本来、これらは個々に考えるべきものではなく起こりうるケースで組み合わせて、商品系列や商品戦略を考えていくことが必要である。 | ||
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=== 商品の導入期 === | === 商品の導入期 === | ||
*ゼロ需要、潜在需要⇒市場の創造 | *ゼロ需要、潜在需要⇒市場の創造 |
2015年1月18日 (日) 03:47時点における版
ここでは、「市場の変化とマーケティングミックス戦略の転換」という課題に対して、どの様に市場の変化やその兆しを捉えて、マーケティングミックス戦略を転換したらよいか説明して参ります。
目次
商品を取り巻く環境の変化や兆しを分析する
商品の寿命を見極めて、①新商品を創造し成長させるか、②成熟化した既存商品の維持・拡大を図るか、③衰退商品からの撤退・再編成を図るか、といったことについてどの様な意思決定をするか、その判断時期をいつにするかが、事業、ひいては企業の盛衰を決定づけると言っても過言ではない。
事業を取り巻く環境の変化を市場全体の視点から分析する
一般的には、以下の視点で事業を取り巻く環境の変化を捉えていことになる。
- イノベーションの視点 (イノベーター(冒険的)、アーリーアダプタ(尊敬の対象)、アーリーマジョリティ(慎重派)、レイトマジョリティ(懐疑派)、ラガード(=のろま、因習派))[1]
- 業界と5-Forcesの視点 (先端業界、多数乱戦業界、成熟業界、衰退業界)×(買い手との関係、供給業者との関係、代替品との競争要因、既存競争業者との競争要因、新規参入業者との競争要因)[2]
- 事業に対する VRIO “Value、Rare、Inimitable、Organization arrangement to execute Strategies” [3]
自社の財務状況を分析する
- 事業の財務状況を捉える
- 売上(特に、損益分岐点売上高)、利益(特に、粗利益、営業利益、貢献利益)
- 売上高成長率、利益率(粗利益率、営業利益率)
市場の変化とマーケティングミックス戦略を考える
商品を取り巻く環境を市場全体の視点から戦略を考える
- マーケティングの3Cの視点 “Customer、Competitor、Company”
- 商品に対する SWOT “Strength、Weakness、Opportunity、Threat”
- 商品に対するPPM分析 “Products Portfolio Management”
商品のライフサイクルとマーケティング目的から戦略を考える
現実問題として、長期にわたり様々な事業を展開していると、ニーズの多様化や競合他社との競争の過程で、様々な商品系列や商品が、置き換え/カニバリ(共食い)/補完/相乗仕合いながら生み出されていく。しかし、それら全てを維持していくにはコストがかかり、やがては整理統合が必要になってくる。
- 個々の商品系列や商品の誕生から消滅の過程を見ていくと、いわゆるプロダクトライフサイクル(導入期、成長期、成熟期、衰退期)の過程を経て生み出され消えていく。
- 需要の誕生から消滅の過程を見ていくと、ゼロ需要、潜在需要、顕在需要、低迷化する需要、買替需要、減少需要の分類して考えることができる。
- マーケティングの目的も、需要の誕生から消滅の過程に即して、市場の創造、市場の開拓、市場の拡大、市場の維持、市場の挽回、市場の再活性化、市場の再編へと変遷していく。
- マーケティング戦略の考え方の一つにマーケティングミックス戦略がある。「製品戦略」「プロモーション戦略」「価格戦略」「チャネル戦略/店舗展開戦略」を様々な市場環境に合わせて最適な組み合わせで戦略を考える方法である。
しかし、本来、これらは個々に考えるべきものではなく起こりうるケースで組み合わせて、商品系列や商品戦略を考えていくことが必要である。
商品の導入期
- ゼロ需要、潜在需要⇒市場の創造
- 製品戦略
- 標的客層の設定、用途・効果・利便性の創造、優位性・新規性・付加価値機能の開発
- プロモーション戦略
- 販促標的客層の設定、ブランドイメージの創造と発信
- 価格戦略
- 想定客層に対する価格帯の設定(上層価格・浸透価格の併用)
- チャネル戦略
- 販売地域の設定、流通チャネルの構築
- 製品戦略
- 顕在需要⇒出遅れに対する市場の挽回
- 製品戦略
- 標的客層の厳選(絞り込み)、用途・効果・利便性の厳選(絞り込み)、優位性・新規性・付加価値機能の厳選(絞り込み)
- プロモーション戦略
- 販促標的客層の集中化と強化、知名度の拡大、優位性認知度の浸透
- 価格戦略
- 競争優位価格帯の設定
- チャネル戦略
- 販売地域の集中化、流通チャネルの開拓と確保
- 製品戦略
商品の成長期
- 潜在需要⇒市場の開拓
- 製品戦略
- 標的客層の追加、用途・効果・利便性の追加、優位性・付加価値機能の追加
- プロモーション戦略
- 販促標的客層の追加、ブランドイメージの発信先追加
- 価格戦略
- 想定客層に対する価格帯の設定(上層価格、浸透価格の追加)
- チャネル戦略
- 販売地域の追加、流通チャネルの追加
- 製品戦略
- 顕在需要⇒市場の拡大
- 製品戦略
- 標的客層の拡充、品揃えの拡充(多様性への対応)
- プロモーション戦略
- 販促標的客層の追加、ブランドイメージの発信先拡充と認知度拡大
- 価格戦略
- 想定客層に対する価格帯の設定(浸透価格戦略の重点的強化)
- チャネル戦略
- 販売地域のきめ細かい拡大、流通チャネルとの関係強化
- 製品戦略
商品の成熟期
- 買替需要⇒市場の維持
- 製品戦略
- 標的客層のへのきめ細かい対応、モデルチェンジ
- プロモーション戦略
- 販促標的客層の囲い込み(集中化と強化)、ブランドの知名度の維持、優位性認知度の維持
- 価格戦略
- 競争優位価格帯の設定、廉価版(カテゴリーキラーへの対応)
- チャネル戦略
- 販売地域での強化、流通チャネルの強化
- 製品戦略
- 低迷化する需要⇒市場の再活性化
- 製品戦略
- 標的客層の見直し、用途・効果・利便性の着眼点や発想の転換、優位性・付加価値機能の再構築
- プロモーション戦略
- 販促標的客層の見直し、ブランドの知名度の維持、優位性認知度の維持
- 価格戦略
- 低価格戦略(浸透価格戦略)と付加価値価格(上層価格)の併用
- チャネル戦略
- 販売地域の広域化、流通チャネルの組み替え
- 製品戦略
商品の衰退期
- 減少需要⇒市場の再編成
- 製品戦略
- 標的客層の再編成、新用途・新効果・新利便性の付加、新優位性・新規性・新付加価値機能の開発
- プロモーション戦略
- 新効果・新利便性による旧効果・旧利便性の置き換え喚起
- 価格戦略
- 価格帯の再設定
- チャネル戦略
- 販売地域の新用途・新効果・新利便性に対応する組み替え、流通チャネルの新用途・新効果・新利便性への移行
- 製品戦略