「既存事業を新たな市場に展開する」の版間の差分

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(事業を取り巻く環境の変化を市場全体の視点で戦略を考える)
(これまでの事業を新たな市場に展開するための市場の開拓・拡大戦略を考える)
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== これまでの事業を新たな市場に展開するための市場の開拓・拡大戦略を考える ==
 
== これまでの事業を新たな市場に展開するための市場の開拓・拡大戦略を考える ==
 
 
=== 好景気の経済環境で、かつ、自社の財政も潤沢である場合 ===
 
*<strong>物的資源に関する戦略(海外展開など)</strong> 新市場向けの積極的投資、新市場向けの設備投資と新市場向けへの増産体制の早期確立、新市場向けの生産・販売拠点の拡大、新市場向けの販売促進の積極的拡大
 
*<strong>人的資源に関わる戦略</strong> 新市場向けの配置異動、新市場の売上目標管理による業績拡大、新市場向けの報奨制度の追加、教育・研修プログラムの多分野・基礎教育への拡大
 
*<strong>財務戦略</strong> 新市場開拓のための増資・社債の発行・短期借入、新市場向けの分社化、新市場開拓による運転資本回転の拡大
 
 
=== 好景気の経済環境にあっても自社の財政が逼迫している場合 ===
 
*<strong>物的資源に関する戦略</strong> 新市場向けへの選択と集中、低稼働設備の転用による新市場の需要への対応、新市場向けの生産・販売拠点の生産性向上、新市場向けの集中的在庫投資と安全在庫のきめ細かい管理、選択し集中した商品の販促強化
 
*<strong>人的資源に関わる戦略</strong> 新事業への人材の集中配置(適材適所による生産性向上と余剰人員の配置転換)、内製化の促進(キャッシュアウトの圧縮)、右肩上がりの売上目標管理による業績拡大、教育・研修プログラムの分野の厳選と有効活用
 
*<strong>財務戦略</strong> 増資、社債の発行、運転資本回転の高速化、不稼働設備資産の除却、経費削減の強化
 
 
=== 不景気の経済環境にあっても自社の財政が潤沢である場合 ===
 
*<strong>物的資源に関する戦略</strong> 新市場向け商品の付加価値化(差別化による競争優位性強化)、新市場向けへの低稼働設備の転用、生産・販売拠点の集約(効率化)、新市場向けへの集中的在庫投資と安全在庫のきめ細かい管理、新市場向け商品への販促強化
 
*<strong>人的資源に関わる戦略</strong> 人材の集中配置(効率化と原価低減、余剰人員の配置転換)、内製化の促進(キャッシュアウトの圧縮)、利益管理による業績拡大、教育・研修プログラムの直接的効果のある分野への厳選と有効活用
 
*<strong>財務戦略</strong> 短期借入から長期借入への組替え、運転資本回転の管理厳格化、遊休稼働設備資産の売却
 
 
=== 不景気の経済環境で、かつ、自社の財政も逼迫している場合 ===
 
*<strong>物的資源に関する戦略</strong> 新市場向け商品のコスト削減(低価格競争での優位性確保)、低稼働設備の早期売却、新市場向け生産・販売拠点の集約化(削減と売却)、集中的在庫投資と安全在庫の厳格な管理、新市場向け商品への販促厳選
 
*<strong>人的資源に関わる戦略</strong> 人材の集中配置(コスト削減)、転籍等、利益管理による業績拡大、直接的効果のある教育・研修プログラムにのみ集中
 
*<strong>財務戦略</strong> 剰余金の取り崩し、運転資本回転の管理厳格化、きめ細かい流動性の管理(安全余裕の確保)、低稼働設備資産の売却、経費削減
 
  
 
= 関連事項 =
 
= 関連事項 =

2016年9月27日 (火) 18:13時点における版

ここでは、「これまでの事業を新たな市場に展開する」という課題に対して、どの様に変化やその兆しを捉えて、戦略を構想したらよいか説明する。


事業を取り巻く環境の変化や兆しを分析する

経済的環境の変化、自社の財務状況を分析する

既存事業を成長し続けさせていくためには、常に、新たな市場を開拓し展開していくことが求められる。進出する新市場の伸びや競合他社との兼ね合い(新市場に対して競合よりも先行して投入する場合、競合が先行して投入している場合、競合が独占している場合、乱戦している場合、追随している場合等)、進出先の景気の動向、自社の財政状況を勘案しながら、様々な方法で資金を調達し投下していかなければならない。一般的には、以下の視点で事業を取り巻く環境の変化を捉えていことになる。


まずは、大局的に、長期的にグローバル全体として経済動向を捉えておくことが必要である。

  • OECDの経済成長見通し、貿易統計等の報告書
  • ILOの年次報告

また、長期的にグローバル全体として経済動向を背景として、現在の日本の経済動向を捉えておかなければならない。特に、グローバル経済化した現在の経済環境においては、輸出に頼っている企業での収益への為替相場の影響、原材料を輸入に頼っている企業における原価への為替相場の影響ばかりでなく、そうした諸事情が巡り回って国内市場においても、常に為替相場が販売にどう影響するかを考えておくことが求められる様になってきている。

  • 日銀短観、政府の経済基調、国際収支統計、プライマリーバランス、日本国債等の格付け
  • 人口動態、社会保障の負担額、公共投資先と投資額
  • GDP(名目と実質)、物価、企業の設備投資、在庫状況、有効求人倍率、完全失業率
  • 政策金利、為替レート、平均株価、金利、マネーサプライ、投資家の投資行動

マクロな視点で経済環境を捉えているだけでは手遅れになる。大事なことは、足下の経済動向を捉えて打つべき戦略を考えることである。

  • 自分の属する業界の景況観
  • 顧客企業やその関係先の属する業界の景況観
  • 街場の景況観

一方、様々に打つべき戦略を考えるにしても、自社の財務状況がどうであるかを冷静に捉えて判断することが必要である。

  • 売上、利益、キャッシュフロー、内部留保
  • 売上高成長率、営業利益率、経常利益率、総資産回転率、自己資本比率、有利子負債比率

データから読み解く経営環境の変化と事業を展開する上での論点

需要が一巡してくると業績が低下し、企業としての成長も停滞してくる。しかし、新規事業を立ち上げるには早過ぎる、あるいは、イノベーションを興しうるだけの余力がないとなれば、既存事業を求めている新たな市場を開拓しなければ立ち行かなくなる。そこで、まずは、同じ商品で販売量に地域差が出るのはなぜか標準的地域はどこか次にこの自社商品の成長期を迎える国はどこか自社商品の売行きの拡がる地域の順番は、といったことを分析して開拓すべき市場を洗い出していくことになる。

しかし、進出先の地域で単に商品が売れれば良いという理屈は今やどこに行っても通用しない。利益ばかりを追求すると悪い評判が広がって不買運動にもつながり、企業ブランドを傷つけかねない。何よりも大事なことは、輸出先地域でこれからどうすればよいか輸出先地域における、この商品の需要にどう影響するか地域は地元の力を発揮しているか、といったことにも思いを巡らせてその地域の人々と共生し、そこでの暮らし方を豊かにしていかなければならない。


事業を取り巻く環境の変化を市場全体の視点で戦略を考える

事業を取り巻く環境の変化を様々な視点から戦略を考える

これまでの事業を新たな市場に展開するための市場の開拓・拡大戦略を考える

関連事項

  1. 経営環境と戦略のバリエーション
  2. 類似例

引用