「市場の変化とマーケティングミックス戦略の転換」の版間の差分
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+ | 現実的には、更に踏み込んだ視点から市場を分析して、もっと正確な見通しを立ててビジネスチャンスを活かし、また、様々なリスクを回避していかなければならない。具体的には、[http://clem.co.jp/picowiki/index.php?title=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E8%87%AA%E7%A4%BE%E6%A5%AD%E7%95%8C%E3%81%AB%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%81%AF%E8%B5%B7%E3%81%93%E3%82%8B%E3%81%8B 日本の自社業界にカタストロフィーは起こるか]、[http://clem.co.jp/picowiki/index.php?title=%E3%81%93%E3%81%AE%E5%95%86%E5%93%81%E3%81%AE%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E8%B2%A9%E5%A3%B2%E9%87%8F%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%93%E3%81%8C%E4%B8%8A%E9%99%90%E3%81%8B この商品の日本の販売量はどこが上限か]、[http://clem.co.jp/picowiki/index.php?title=%E4%BD%95%E6%95%85%E3%81%93%E3%81%AE%E5%95%86%E5%93%81%E3%81%AE%E5%B8%82%E5%A0%B4%E8%A6%8F%E6%A8%A1%E3%81%AF%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%A0%E3%81%91%E3%81%AA%E3%81%AE%E3%81%8B 何故この商品の市場規模はこれだけなのか]、[http://clem.co.jp/picowiki/index.php?title=%E3%81%93%E3%81%AE%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB%E3%81%AE%E5%AF%BF%E5%91%BD%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%82%8C%E3%81%8F%E3%82%89%E3%81%84%E3%81%8B このモデルの寿命はどれくらいか]、[http://clem.co.jp/picowiki/index.php?title=%E3%81%93%E3%81%AE%E5%95%86%E5%93%81%E3%80%81%E3%81%93%E3%81%AE%E3%81%BE%E3%81%BE%E3%81%A0%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%8F%E3%82%89%E5%A3%B2%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%81%8B この商品、このままだといくら売れるか]、[http://clem.co.jp/picowiki/index.php?title=%E5%A4%9A%E8%A7%92%E5%8C%96%E6%88%A6%E7%95%A5%E3%82%92%E6%8E%A1%E7%94%A8%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%9A%E3%81%AB%E7%94%9F%E3%81%8D%E6%AE%8B%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%81%8B 多角化戦略を採用できずに生き残れるか]、[http://clem.co.jp/picowiki/index.php?title=%E5%AE%89%E5%85%A8%E3%81%AF%E5%A3%B2%E3%82%8A%E7%89%A9%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%8B 安全は売り物になるか]、[http://clem.co.jp/picowiki/index.php?title=%E8%87%AA%E7%A4%BE%E3%81%AE%E9%A1%9E%E4%BC%BC%E5%88%86%E9%87%8E%E3%81%AB%E9%80%B2%E5%87%BA%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%8D%E3%81%8B 自社の類似分野に進出すべきか]、といったことを捉えて商品戦略を展開していくことが経営の意思決定の際には求められる。 | ||
2015年2月9日 (月) 06:38時点における版
ここでは、「市場の変化とマーケティングミックス戦略の転換」という課題に対して、どの様に市場の変化やその兆しを捉えて、マーケティングミックス戦略を転換したらよいか説明する。
目次
商品を取り巻く環境の変化や兆しを分析する
商品の寿命を見極めて、①新商品を創造し成長させるか、②成熟化した既存商品の維持・拡大を図るか、③衰退商品からの撤退・再編成を図るか、といったことについてどの様な意思決定をするか、その判断時期をいつにするかが、事業、ひいては企業の盛衰を決定づけると言っても過言ではない。
事業を取り巻く環境の変化を市場全体の視点から分析する
ある商品のマーケティングミックス戦略を考えていく上では、当該商品のライフサイクルに沿って考えるばかりでなく、関連する商品を扱う事業全体との兼ね合いから、また、イノベーションが普及していく過程の位置関係、業界の状況や関係する事業者や消費者との関係等から総合的に判断することが、本来必要なことである。一般的には、以下の視点で事業を取り巻く環境の変化を捉えていことになる。
- イノベーションの視点 (イノベーター(冒険的)、アーリーアダプタ(尊敬の対象)、アーリーマジョリティ(慎重派)、レイトマジョリティ(懐疑派)、ラガード(=のろま、因習派))[1]
- 業界と5-Forcesの視点 (先端業界、多数乱戦業界、成熟業界、衰退業界)×(買い手との関係、供給業者との関係、代替品との競争要因、既存競争業者との競争要因、新規参入業者との競争要因)[2]
- 事業に対する VRIO “Value、Rare、Inimitable、Organization arrangement to execute Strategies” [3]
自社の財務状況を分析する
様々に打つべき戦略を考え上で、それ以前に、事業の財務状況がどうであるかを冷静に捉えて判断することが必要である。
- 売上(特に、損益分岐点売上高)、利益(特に、粗利益、営業利益、貢献利益)
- 売上高成長率、利益率(粗利益率、営業利益率)
データから読み解く市場の変化と商品戦略を展開する上での論点
現実的には、更に踏み込んだ視点から市場を分析して、もっと正確な見通しを立ててビジネスチャンスを活かし、また、様々なリスクを回避していかなければならない。具体的には、日本の自社業界にカタストロフィーは起こるか、この商品の日本の販売量はどこが上限か、何故この商品の市場規模はこれだけなのか、このモデルの寿命はどれくらいか、この商品、このままだといくら売れるか、多角化戦略を採用できずに生き残れるか、安全は売り物になるか、自社の類似分野に進出すべきか、といったことを捉えて商品戦略を展開していくことが経営の意思決定の際には求められる。
市場の変化とマーケティングミックス戦略を考える
商品を取り巻く環境を市場全体の視点から戦略を考える
- マーケティングの3Cの視点 “Customer、Competitor、Company”
- 商品に対する SWOT “Strength、Weakness、Opportunity、Threat”
- 商品に対するPPM分析 “Products Portfolio Management”
様々な数値から何をすべきか掘り下げる
現実的には、モデルチェンジなどを繰り返してきた結果として、市場には様々なステージにある商品のラインアップが存在することになる。その夫々について、今、ライフサイクルのどのステージにあるか、更にはどのようなステージに移って行くか/移行させていくかをキーとなる指標の動きから細かく見ていく必要がある。
ここでは、各ライフステージも更には初期/中期/後期に区分けして、前期をステージアップした間近かの端境期、後期を次ステージにアップしていく移行時期、中間期はそれらの中間にある踊り場的な時期で、この時期の過ごし方によって伸張していく場合と脱落していく場合に分かれる。尚、時期は一概に時間スケールで線引きすることはできない。立ち上がりの早い市場もあれば、長年かけてゆっくり遷移していく市場もある。
また、捉える数値は、ステージによっても異なってくる。例えば、新製品を導入してすぐの頃は、どれだけを出荷して実際に売上げたかが重要であり、成長期は売上成長率と在庫回転率の両方の数字を見てビジネスの回転の大きさと回転の速さを同時に捉えていくことが重要となる。また、成熟期においては需要が飽和するだけでなく参入業者も増えて低価格化が進むことを考えれば利益率が重要になってくる。そして、衰退期にはいつクローズするかが問題となるため、当該商品に関わる研究開発段階から累積した総費用をきちんと賄えたか、即ち、投下資本回収率と廃棄コストが問われる。、
事業戦略の中で導入期にある商品に対して何を捉え何をすべきか
導入初期の商品に対して何を捉えて、事業戦略全体の中でどう位置付けて何をすべきか。
- [出荷数、実売上高が減少している] 導入初期には宣伝広告によるアナウンス効果もあり、試供品の配布等による販促もあり、顧客の期待感もありで、最初は出荷数も売上もいくらかは立ち上がりを見せるものの持続せず、市場に投入した途端にこれらの数値が減少してしまうということは先行きが危うい。事業として継続するためのコストと、開発費や廃棄コストの損得を計算して撤退を検討する必要がある。元々、鳴かず飛ばずの商品については、カタストロフィが起きるきっかけがつかめないものもある。ブランド力や知名度が低ければ往々にして起きる事象である。この場合は、地道な販売活動や著名なブランドのもとでの販売などを経るため、導入初期に長い時間がかかる。
- [出荷数、実売上高が停滞している] 同様に、最初は出荷数も売上もいくらかは立ち上がりを見せる。当初のイノベータ的人達の需要を取り尽くして、いよいよゼロ需要から新たな市場を創造するための活動に入っていく踊り場的な段階でもある。
- [出荷数、実売上高が増大している] 新商品の市場投入が順調に滑り出していると見られる。躊躇したりする必要はなく、時間を置かず積極的に販売活動を展開していくべき時期である。
導入中間期の商品に対して何を捉えて、事業戦略全体の中でどう位置付けて何をすべきか。
- [出荷数、実売上高が減少している] 投入市場等戦略見直し
- [出荷数、実売上高が停滞している] 顧客開拓
- [出荷数、実売上高が増大している] 新商品の市場投入が順調に滑り出していると見られる。躊躇したりする必要はなく、時間を置かず積極的に販売活動を拡大していくべき時期である。
導入後期の商品に対して何を捉えて、事業戦略全体の中でどう位置付けて何をすべきか。
- [出荷数、実売上高が減少している] 強み強化と弱み改善
- [出荷数、実売上高が停滞している] 市場刺激(販促)
- [出荷数、実売上高が増大している] 市場拡大
事業戦略の中で成長期にある商品に対して何を捉え何をすべきか
成長初期の商品に対して何を捉えて、事業戦略全体の中でどう位置付けて何をすべきか。
- [在庫回転率、売上高成長率が減少している] 販売戦略見直し
- [在庫回転率、売上高成長率が停滞している] 市場育成
- [在庫回転率、売上高成長率が増大している] 積極展開
成長中間期の商品に対して何を捉えて、事業戦略全体の中でどう位置付けて何をすべきか。
- [在庫回転率、売上高成長率が減少している] 強化戦略
- [在庫回転率、売上高成長率が停滞している] 市場浸透
- [在庫回転率、売上高成長率が増大している] 顧客育成
成長後期の商品に対して何を捉えて、事業戦略全体の中でどう位置付けて何をすべきか。
- [在庫回転率、売上高成長率が減少している] 強み増強、弱み強化
- [在庫回転率、売上高成長率が停滞している] 成長促進
- [在庫回転率、売上高成長率が増大している] 成長拡大
事業戦略の中で成熟期にある商品に対して何を捉え何をすべきか
成熟初期の商品に対して何を捉えて、事業戦略全体の中でどう位置付けて何をすべきか。
- [利益率が増大している] 維持強化
- [利益率が停滞している] 市場再活性化
- [利益率が減少している] 製品戦略見直し
成熟中間期の商品に対して何を捉えて、事業戦略全体の中でどう位置付けて何をすべきか。
- [利益率が増大している] 優良顧客囲い込み
- [利益率が停滞している] 販売地域拡大、顧客層拡大、低価格化
- [利益率が減少している] 戦略遂行強化
成熟後期の商品に対して何を捉えて、事業戦略全体の中でどう位置付けて何をすべきか。
- [利益率が増大している] 維持拡大
- [利益率が停滞している] 成長維持
- [利益率が減少している] 品揃え増強
事業戦略の中で衰退期にある商品に対して何を捉え何をすべきか
衰退初期の商品に対して何を捉えて、事業戦略全体の中でどう位置付けて何をすべきか。
- [投下資本回収(元が取れず損失が発生)、廃棄コストが高い] 再起をかけた挽回策
- [投下資本回収(元は取れないがとんとん)、廃棄コストもなんとか賄える] 市場再編成
- [投下資本回収(元が取れた)、廃棄コストが少ない] 品揃え絞り込み
衰退中間期の商品に対して何を捉えて、事業戦略全体の中でどう位置付けて何をすべきか。
- [投下資本回収(元が取れず損失が発生)、廃棄コストが高い] 顧客保護
- [投下資本回収(元は取れないがとんとん)、廃棄コストもなんとか賄える] 終息への市場見直し
- [投下資本回収(元が取れた)、廃棄コストが少ない] 終息への戦略転換
衰退後期(終息期)の商品に対して何を捉えて、事業戦略全体の中でどう位置付けて何をすべきか。
- [投下資本回収(元が取れず損失が発生)、廃棄コストが高い] 終息前の駆け込み需要対応
- [投下資本回収(元は取れないがとんとん)、廃棄コストもなんとか賄える] 終息の判断
- [投下資本回収(元が取れた)、廃棄コストが少ない] 即時撤退
商品のライフサイクルとマーケティング目的から戦略を考える
現実問題として、長期にわたり様々な事業を展開していると、ニーズの多様化や競合他社との競争の過程で、様々な商品系列や商品が、置き換え/カニバリ(共食い)/補完/相乗仕合いながら生み出されていく。しかし、それら全てを維持していくにはコストがかかり、やがては整理統合が必要になってくる。
- 個々の商品系列や商品の誕生から消滅の過程を見ていくと、いわゆるプロダクトライフサイクル(導入期、成長期、成熟期、衰退期)の過程を経て生み出され消えていく。
- 需要の誕生から消滅の過程を見ていくと、ゼロ需要、潜在需要、顕在需要、低迷化する需要、買替需要、減少需要の分類して考えることができる。
- マーケティングの目的も、需要の誕生から消滅の過程に即して、市場の創造、市場の開拓、市場の拡大、市場の維持、市場の挽回、市場の再活性化、市場の再編へと変遷していく。
- マーケティング戦略の考え方の一つにマーケティングミックス戦略がある。「製品戦略」「プロモーション戦略」「価格戦略」「チャネル戦略/店舗展開戦略」を様々な市場環境に合わせて最適な組み合わせで戦略を考える方法である。
しかし、本来、これらは個々に考えるべきものではなく起こりうるケースで組み合わせて、商品系列や商品戦略を考えていくことが必要である。
導入期にある商品のマーケティングミックスを考える
ゼロ需要、潜在需要に対しては市場創造のマーケティングミックス戦略を考える必要がある。
- 製品戦略 標的客層の設定、用途・効果・利便性の創造、優位性・新規性・付加価値機能の開発
- プロモーション戦略 販促標的客層の設定、ブランドイメージの創造と発信
- 価格戦略 想定客層に対する価格帯の設定(上層価格・浸透価格の併用)
- チャネル戦略 販売地域の設定、流通チャネルの構築
顕在需要に対しては出遅れて先に奪われた市場を挽回するマーケティングミックス戦略を考える必要がある。
- 製品戦略 標的客層の厳選(絞り込み)、用途・効果・利便性の厳選(絞り込み)、優位性・新規性・付加価値機能の厳選(絞り込み)
- プロモーション戦略 販促標的客層の集中化と強化、知名度の拡大、優位性認知度の浸透
- 価格戦略 競争優位価格帯の設定
- チャネル戦略 販売地域の集中化、流通チャネルの開拓と確保
成長期にある商品のマーケティングミックスを考える
潜在需要に対しては市場開拓のマーケティングミックス戦略を考える必要がある。
- 製品戦略 標的客層の追加、用途・効果・利便性の追加、優位性・付加価値機能の追加
- プロモーション戦略 販促標的客層の追加、ブランドイメージの発信先追加
- 価格戦略 想定客層に対する価格帯の設定(上層価格、浸透価格の追加)
- チャネル戦略 販売地域の追加、流通チャネルの追加
顕在需要に対しては市場拡大のマーケティングミックス戦略を考える必要がある。
- 製品戦略 標的客層の拡充、品揃えの拡充(多様性への対応)
- プロモーション戦略 販促標的客層の追加、ブランドイメージの発信先拡充と認知度拡大
- 価格戦略 想定客層に対する価格帯の設定(浸透価格戦略の重点的強化)
- チャネル戦略 販売地域のきめ細かい拡大、流通チャネルとの関係強化
成熟期にある商品のマーケティングミックスを考える
買替需要の確保による市場維持のマーケティングミックス戦略を考える必要がある。
- 製品戦略 標的客層のへのきめ細かい対応、モデルチェンジ
- プロモーション戦略 販促標的客層の囲い込み(集中化と強化)、ブランドの知名度の維持、優位性認知度の維持
- 価格戦略 競争優位価格帯の設定、廉価版(カテゴリーキラーへの対応)
- チャネル戦略 販売地域での強化、流通チャネルの強化
低迷化する需要に対しては、市場の再活性化のマーケティングミックス戦略を考える必要がある。
- 製品戦略 標的客層の見直し、用途・効果・利便性の着眼点や発想の転換、優位性・付加価値機能の再構築
- プロモーション戦略 販促標的客層の見直し、ブランドの知名度の維持、優位性認知度の維持
- 価格戦略 低価格戦略(浸透価格戦略)と付加価値価格(上層価格)の併用
- チャネル戦略 販売地域の広域化、流通チャネルの組み替え
衰退期にある商品のマーケティングミックスを考える
減少する需要に対しては市場再編成のマーケティングミックス戦略を考える必要がある。
- 製品戦略 標的客層の再編成、新用途・新効果・新利便性の付加、新優位性・新規性・新付加価値機能の開発
- プロモーション戦略 新効果・新利便性による旧効果・旧利便性の置き換え喚起
- 価格戦略 価格帯の再設定
- チャネル戦略 販売地域の新用途・新効果・新利便性に対応する組み替え、流通チャネルの新用途・新効果・新利便性への移行