「Arguments about the cashflow」の版間の差分

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ここでは、キャッシュフローを生み出す活動について、色々な概念を掘り下げ、変動要因として捉えて参ります。
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= もし、キャッシュフローを生み出せていないとすれば、それはどういうことか  =
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== ビジネスの回転でキャッシュフローを賄えていない ==
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*<strong>“ビジネスの回転でキャッシュフローを賄えていない”とは(要因)</strong>
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**売上が少ない
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**コストが高い
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**売上回収の前に仕入支払い期日が来てキャッシュが不足している
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**在庫の回転が悪い
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**過剰在庫・滞留在庫が生じている
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**稼働していない設備への負担が多い(減価償却費、保守費等)
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**労働生産性が低い
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*<strong>“ビジネスの回転でキャッシュフローを賄えていない” の論点(捉え方の軸と筋道)</strong>
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**ビジネスで利益を得て、それを元手に新たなビジネスを展開していくのが鉄則である。
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**売りものを仕入れたり、生産に必要な原材料を仕入れたりする(在庫投資する)にもお金が必要であり、当初の資金を在庫に投資しても売れなければ、また、売れても売上から現金化する(回収する)前に支払をしなければならないとすれば、やがてはキャッシュのショート(資金の底が尽きる)となってしまう。いわゆる、黒字倒産ともなりかねない。
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== 過剰在庫、滞留在庫、不良在庫、死蔵在庫が増加している ==
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* <strong>在庫に関する諸概念 [1]</strong>
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**“過剰在庫、滞留在庫、不良在庫、死蔵在庫”は、投下した資金の回収が遅くなる、更には、回収されないことを意味する。
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**滞留在庫(デッドストック):売れずに残っている在庫。企業によって滞留期間を定めて管理している。季節商品は、在庫一掃処分などといった値引きをして販売する場合が多い。
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**過剰在庫(オーバーストック):適正在庫を超える在庫。適正在庫も企業、商品によって基準を設けて管理している。
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**不良在庫:販売される見込みのない、商品価値のない在庫。欠陥品や不良品も含まれる。賞味期限のある商品等は、放置しておくと腐敗する可能性もあり、在庫処分が必要となる。
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**死蔵在庫:新商品が出て使われなくなった部品、パラダイムチェンジにより需要を失った商品の在庫。
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*<strong>“過剰在庫、滞留在庫” の論点(捉え方の軸と筋道)</strong>
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**「需要の特性」「商品の特性」「欠品による販売機会ロス(顧客離れ)」「発注リードタイム」「生産リードタイム」「自社商品のロードマップ」に応じて、基準在庫や発注方法を管理することになるが、その上で、過剰在庫、滞留在庫を認識し、在庫リスクとして管理する。
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*<strong>“不良在庫、死蔵在庫” の論点(捉え方の軸と筋道)</strong>
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**“過剰在庫、滞留在庫”は賞味期限によって早晩“不良在庫”となってしまう。需要の動向を見て“過剰在庫、滞留在庫”にならにようにするとともに、早期に安売り等で在庫を減らして“不良在庫”とならないようにしなければならない。出荷後の売れ残りについても、流通過程にある在庫量を把握し、流通業者にも“不良在庫”の防止と早期解消を働きかける必要がある。
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**クーリングオフ等による返品はある程度のリスクとして見込んでおくことが必要である。しかし、こうした返品が発生しないように、顧客に満足される商品を提供することが本質的な対策となる。
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**納品後に見つかった不良は、企業の信用の低下、風評被害にもつながる。出荷後の不良率の低減に努めなければならない。
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**“不良在庫”は、新商品の発売により早晩“死蔵在庫”となる。“過剰在庫、滞留在庫”、“不良在庫”の段階から、新商品の販売時期を勘案して“死蔵在庫”とならないようにしなければならない。
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* <strong>在庫管理システムの良否</strong>
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**これらの管理の可否に加え、値引きのタイミング、新製品の発注サイズの意思決定に役立つことかどうかを評価する必要がある。
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== 設備稼働率が低い ==
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*<strong>設備稼働率とは</strong>
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**その設備の生産能力に対して実際に稼働して生産した生産量の割合を “設備稼働率” と定義する場合がある。しかし、この定義は厳密性に欠ける。
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**運転開始から停止までの実際に作業している時間以外に、その設備へのローディング時間、段取り時間、点検時間、定期保守時間、故障による停止時間、チョコ停時間、遊休時間(スケジュールに組み入れられることなく動いていない時間)などがあり、生産能力を 24時間365日 稼働し続けたときの生産量として定義することに意味はない。仮に 24時間365日 稼働し続けることが可能だとしても、適当な時期に調整を加えて機械の動きを良くさせることもありうる。
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**設備の稼働時間の視点からは、[運転開始から停止までの実際に作業している時間]+[その設備へのローディング時間]+[段取り時間]に基づいてスケジュールした時間に対して[故障による停止時間]+[チョコ停時間]を差し引いた時間を “稼働率” と捉える。
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**設備の操業時間としては、[運転開始から停止までの実際に作業している時間]+[その設備へのローディング時間]+[段取り時間]+[故障による停止時間]+[チョコ停時間]までを捉える。
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**24時間365日 に対する操業時間の差が遊休時間である。
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**設備の遊休時間を減らし、操業時間を増やし、稼働率を向上することが “設備稼働率” の管理のポイントである。
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*<strong>“設備稼働率が低い”の論点(捉え方の軸と筋道)</strong>
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**「設備稼働率が低い」からといって不要不急の生産のために遊休設備を動かすというのは本末転倒であり、滞留在庫、過剰在庫の発生の原因となる。
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**生産計画に基づく生産量を生産するのに必要な設備の[操業時間×稼働率]を捉える。
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**モデルチェンジ等により遊休となる設備については早期に転用、売却(除却)を進める
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**故障により使用できない設備は、すぐにでも廃棄する。
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== 労働稼働率が適正でない ==
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*<strong>労働稼働率は [2]</strong>
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**従業員の作業時間
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***直接作業時間=直接作業に関わる時間+段取り時間
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***実働時間=直接作業時間+手待ち時間(仕事が来るのを待っている時間、機械の故障等による再稼働待ち時間)
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***就業時間=実働時間+間接作業時間(作業の手配、作業現場の整理・整頓・清掃、作業の改善、機械の保守補修、教育等)
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**労働基準法上の労働時間
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***労働時間(実労働時間)=事業所就業規則で定められた始業時刻と終業時刻との間の時間
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***所定内労働時間=実労働時間+休憩時間
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***所定外労働時間=早出、残業、休日出勤等により行った実労働時間
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***総実労働時間=所定内労働時間+所定外労働時間
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**労働稼働率は、直接作業時間の就業時間に対する割合として算出する。直接作業の効率化による時間短縮(アウトプット量の増大)、手待ちの無駄な時間の排除、間接作業の効率化による時間短縮、教育時間の確保などが、“労働稼働率” のポイントである。
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*<strong>“労働稼働率が適正でない”の論点(捉え方の軸と筋道)</strong>
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**成熟化社会(少子高齢社会で経済成長が停滞し、商品の需要が一巡した社会)では、大量生産・大量販売品の需要が頭打ちとなり、買い替え需要、商品に対するレイトマジョリティ(懐疑的な人々)やラガード(因習的価値観を持つ人々)の需要を掘り起こして開拓された需要の奪い合いとなる。
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**こうした状況ではかつての様な大衆市場へのマスマーケティングでは売れず、一人ひとりの個性、その時々のニーズに合わせて販売機会を捉えていくことが求められる。
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**一人ひとりの個性、その時々のニーズに合わせた多品種多変量生産が求められ様になると、小ロットでの生産となり頻繁に発生する段取り替えで直接作業時間が増大する。“労働稼働率” を高めなければならなる。
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**非効率的な作業方法のままで “労働稼働率” を高めることを求め、生産高に応じた報酬を支払うという制度では、従業員は考えることを止めてしまう。更には、一人ひとりが持つ個性を発揮したいという内発的な動機づけを未来永劫損なってしまう。
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**労働稼働率を高めるために、従業員一人ひとりが自ら考えて改善したり、創意工夫をしたりする時間、教育にかける時間の削減を強いると、従業員の業務に対する執務意欲を低下させる。
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**労働稼働率を高めるだけの労働施策では、企業の顧客に提供しうる価値は低下してしまい、ひいては、ブランド力の低下、競争力の低下を招き、企業としての存在価値をも失ってしまう。
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= 関連事項 =
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2015年1月2日 (金) 08:32時点における最新版

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